Very Chinese Time

しくみ

ゲームで中国語をどう学ぶか

更新日

Very Chinese Time in My Life は、声に出して答える日常の会話で、話す中国語を教えます。だれかが話しかけてきます。必要な言葉が、ピンインと英語付きで出てきます。それを言うと、相手があなたの言ったことに反応します。

ゲームの中の会話はこう進みます

初日の例です。小さな麺の店で牛肉麺を食べています。店主がやって来ます。

  1. 相手が話しかけてくる

    要喝什么吗? (yào hē shén me ma?)何か飲みますか?

    セリフは、漢字の上にピンイン、下に英語が付いて表示されます。

  2. 言葉がカードになって出てくる

    • 我 (wǒ)私
    • 喜欢 (xǐ huan)好き
    • 喝 (hē)飲む
    • 红茶 (hóng chá)紅茶

    カード1枚が単語一つで、ピンインと意味が付いています。文の組み立てが見えます。

  3. 単語を一つずつ言ってから、文を言う

    我喜欢喝红茶 (wǒ xǐ huan hē hóng chá)私は紅茶を飲むのが好きです

    マイクに向かって単語を一つずつ言います。それから文全体を言います。話したくないときは、クリックで答えられます。

  4. 相手が反応する

    好嘞,一杯红茶! (hǎo lei, yì bēi hóng chá!)はいよ、紅茶一杯!

    点数も赤い×もありません。店主が紅茶を持ってきて、場面が続きます。

コーヒーを選んだ場合

我喜欢喝咖啡 (wǒ xǐ huan hē kā fēi)私はコーヒーを飲むのが好きです
哎呀你这年轻人,吃面还喝咖啡啊? (āi yā nǐ zhè nián qīng rén, chī miàn hái hē kā fēi a?)あらまあ、お若いの。麺を食べながらコーヒーを飲むのかい?

店主は驚き、それからコーヒーを買いに出かけます。答えが違えば、結果も違います。これがこのゲームのいちばんの考え方です。何を言うかによって、その先の出来事が変わります。

なぜ話すことから始めるのか

中国に着いて最初の数日、必要な中国語のほとんどは話し言葉です。運転手にどこから来たのか聞かれます。屋台の店主に、肉まんをいくつにするか聞かれます。知らない人に、まっすぐ行って右に曲がるように教えてもらいます。理解して答えるまでの時間は数秒です。

読めるようになるには、ずっと時間がかかります。漢字を一つずつ覚える必要があるからです。一方、肉まんを指さしながら这zhè个ge (これ)と言うのは、最初の朝から使えます。

それでも、どの単語にも漢字が表示され、上にピンイン、下に英語が付くので、漢字は最初から目に入ります。助けなしで漢字を読むことや、漢字を書くことは求められません。

どのフレーズも、それを使う場所で覚え、答えを待っている相手に向かって言います。場所は、旅行者が一週間で行くところです。空港から、ある家族との夕食まであります。

なぜピンインを発音どおりに書くのか

このゲームは、実際に話すときの声調を書きます。ゲームのピンインをそのまままねすれば、みんなが話しているとおりに言えます。

ピンインは、中国語をラテン文字で書いたものです。母音の上の記号が声調を表します。

話すときには、次に来る音節によって声調が変わることがあります。辞書や教科書は、漢字ごとに本来の声調を書き、変化は読む人に任せています。表に、よくある例を載せました。

辞書のピンインと、ゲームで実際の発音どおりに書いたピンイン
中国語辞書ではゲームでは変わる理由
你好 nǐ hǎo ní hǎo 你 と 好 はどちらも第3声です。第3声が二つ続くと、最初のほうが第2声になります。
可以 kě yǐ ké yǐ 你好 と同じです。可 のあとに、もう一つ第3声が来ます。
有点辣 yǒu diǎn là yóu diǎn là 長いフレーズの中でも同じ規則です。有 のあとに、第3声の 点 が来ます。
不要 bù yào bú yào 不 は、第4声の前で bú になります。
不客气 bù kè qi bú kè qi 客 は第4声なので、不 は bú になります。
一个 yī gè yí ge 一 は、第4声の前で yí になります。
一天 yī tiān yì tiān 一 は、第1声・第2声・第3声の前で yì になります。
只会一点点 zhǐ huì yī diǎn diǎn zhǐ huì yì dián diǎn 二つの規則が同時に起きます。一 は 点 の前で yì になり、最初の 点 は二つめの 点 の前で第2声になります。

このサイトの声調の色はゲームと同じです。第1声はオレンジ、第2声は緑、第3声は青、第4声はピンクです。グレーは、声調記号の付かない短く軽い音節です。

自分の文のピンインを声調の変化つきで見たいときは、無料のピンイン声調変化ツール(英語)を使えます。

なぜ声に出して答えると覚えやすいのか

答えを声に出して言うと、三つの理由で役に立ちます。研究は、このページの最後の「Sources」に載せています。

  • 言葉は口に出すと覚えやすい

    人は、黙って読んだ単語より、声に出して読んだ単語のほうをよく覚えています。MacLeod らが 2010年の一連の実験で示しました。差がいちばんはっきり出るのは、同じ人が、ある単語は声に出して、別の単語は黙って読んだときです。

  • 答えは選ぶより、自分で思い出すほうが身につく

    短い記述式の問題で練習し、フィードバックを受けた学生は、多肢選択式で練習した学生より、3日後のテストの成績がよくなりました(Kang、McDermott、Roediger、2007年)。自分の記憶から言葉を探すのは、一覧の中から見つけるより手間がかかり、その手間が記憶を助けます。声に出して答えるのは、自分で思い出す方法の一つです。

  • 旅行先でするのと同じこと

    実際の旅行では、だれも選択肢を三つ見せてくれません。相手が質問をして、答えを待ちます。場面の中の人物に向かって答えを言う練習は、チェックボックスに印を付けるより、その瞬間に近いものです。これは私たちの考えで、研究の結果ではありません。

マイクは使わなくてもかまいません。音声入力をオフにして、答えをクリックできます。パソコンにマイクがない場合は、QR コードを読み取って、スマートフォンをマイクとして使えます。

復習を一週間にどう分けているか

このゲームは、一つのフレーズを一週間のあいだに何回か出します。時間をあけて分けた練習は、同じ量を一度にまとめてした練習より、よく覚えていられるからです。Cepeda らは何百もの実験を調べ、これがくり返し確かめられることを示しました(2006年)。また、読み直すより思い出そうとするほうが、記憶に残ります(Roediger、Karpicke、2006年)。

  1. 場面

    新しいフレーズには、それを使う場所で出会い、目の前の相手に向かって言います。

  2. 一日の区切りごとに、パンダの復習

    パンダが英語で問題を出し、カードを3枚見せます。正しいカードを選んだら、それを声に出して言います。カードは、さっき使ったフレーズです。

  3. 夜、国にいる友だちから

    寝る前に友だちからメッセージが届き、その日の内容で、少しからかいながらクイズを出してきます。返事を3つの中から選びます。正解なら声に出して言い、それから送信されます。最後に、復習するものが表示されます。

  4. 次の日の夜は、前の日の間違いから

    間違えたものは、次の日の夜のチャットの最初に出てきます。

  5. フレーズはあとの場面でまた出てくる

    不bú用yòng了le (いりません)は、まず空港で運転手に言います。朝ごはんの屋台で、店主にほかに何かいるか聞かれたときにも出てきます。谢xiè谢xie (ありがとう)、多duō少shao钱qián (いくら)、这zhè个ge (これ)は、たくさんの場面でくり返し出てきます。

このゲームがしないこと

  • 自由な会話

    先生や友だちと話すときのように、好きなことを何でも言えるわけではありません。それぞれの場面には、ゲームが聞き取れる答えのセットがあります。よく使う別の言い方も入っています。

  • 読むことと書くこと

    手書きは教えず、読む練習だけをすることもありません。漢字はいつも画面に出ていて、ピンインと英語が付いています。

  • 文法の授業と試験

    文法を一つの科目としては教えません。HSK(中国語の公式の試験)にも沿っていません。

  • 声調ごとの採点

    一部のアプリのように、声調を一つずつ採点することはしません。ゲームは、言った単語を聞き取って、場面を先に進めます。

こうしたことについては、アプリや講座、ほかのゲームとの比較(英語)をご覧ください。

よくある質問

Very Chinese Time in My Life は、なぜ読むことより先に話すことを教えるのですか?

Very Chinese Time in My Life が話すことから教えるのは、中国に着いて最初の数日、旅行者に必要なのが話すことだからです。運転手に答える、屋台で注文する、道をたずねる、といったことです。中国語を読むには漢字を一つずつ覚える必要があり、時間がかかります。ゲームではどの単語にも漢字が表示され、ピンインと英語が付くので、テストされることなく、最初から漢字を目にします。

ゲームのピンインが教科書と違うのはなぜですか?

Very Chinese Time in My Life のピンインは、実際に話すときの声調を表しています。たいていの辞書や教科書は、漢字ごとに本来の声調を書きます。たとえば 你好 は、辞書では nǐ hǎo、ゲームでは ní hǎo です。第3声が二つ続くと、最初のほうが第2声になるからです。

遊ぶにはマイクに向かって話す必要がありますか?

話さなくても Very Chinese Time in My Life は遊べます。声に出すのがいちばんですが、音声入力をオフにして、答えをクリックできます。パソコンにマイクがない場合は、スマートフォンをマイクとして使えます。

単語を声に出して言うと覚えやすくなりますか?

研究によると、単語は声に出して言うと覚えやすくなります。MacLeod らの実験(2010年)で、人は黙って読んだ単語より、声に出して読んだ単語のほうをよく覚えていました。研究者はこれを「発話効果」(production effect)と呼んでいます。

Very Chinese Time in My Life はクイズアプリですか?

Very Chinese Time in My Life はクイズアプリではありません。ほとんどは日常の場面です。人に話しかけられて声に出して答え、何を言うかで、その先の出来事が変わります。一日の区切りごとに3択の短い復習がありますが、そこでも正しい答えは声に出して言います。

ゲームでは復習をどう分けていますか?

Very Chinese Time in My Life では、フレーズにまず場面で出会い、そのすぐあとにパンダと復習します。夜には、国にいる友だちがその日の内容でクイズを出すので、もう一度目にします。間違えたフレーズは次の日の夜の最初に出てきます。多くのフレーズは、あとの場面でもまた出てきます。

ゲームで文法の説明はありますか?

Very Chinese Time in My Life は文法を一つの科目としては教えません。文の中の単語にはそれぞれ英語の意味が表示されるので、文の組み立てが見えます。同じ文の形は、いろいろな場面でくり返し出てきます。

出典

このページで取り上げた研究です。リンクを開くと、出版社にある論文のページが表示されます。